言われた場所にたどり着くと、大きな切り株の真ん中に剣が突き刺さっていました。
なんだか不思議な感じのする剣です。魔力を感じるような・・・。
調べてみようと近づいたところで、後ろから声がしました。
「ありゃ、先客だ」
振り返ると、見知らぬ男女と、チョコボキャリッジの中で見た精霊かもしれない何かが一緒にいました。
「その剣を刺したのはキミ?やっばいよー、そーゆうの!」
女性は私を説得しようと何やら早口で話し始め、その横で男性が精霊に「不審者ってこいつ?」と尋ねると、精霊は「違うクポ」と答えました。
あら?この人たちにはこの精霊の姿が見えて、声も聞こえるのですね。
もしくは精霊自身が、姿を出したり消したりできるのかも。
男性は見たことのない機械を顔に装着してあたりを見回すと、「この辺りのエーテルが乱れている」と言いました。
よく分からないけど、この剣のせいでしょうか?
周りにいろんな色の石が円を描くように置かれ、何かの儀式のようにも見えます。
第七霊災から、森は以前より敏感になっていて、エーテルが乱れると・・・
という話を聞いているその時、ゴゴゴ・・・と地面が鳴り出しました。
「ほらね、こういうことになっちゃう!」
女性の慌てた口調につられてあたりをぐるっと見回すと、さっきまでおとなしかったモンスターたちが怒りの表情でこちらを睨み、じりじりと迫ってきていました。
ここのモンスターは、いつもなら手を出さなければ襲ってこないのに・・・。
森の精霊を怒らせるとこういうことになるのでしょうか?
逃げる間もなくそのまま戦闘に!
私は乱入してくる小さい敵を倒すので精一杯でしたが、2人が強いのでどうにかなりました。
敵の数も多く、私一人だったら大変なことになっていました。
危なかった・・・。もっともっと鍛錬しなければ。
ほっと胸をなでおろして地面に目をやると、ほんのり光る奇麗な石がポツンと落ちていました。
これは・・・?