冒険の記録

オンラインゲームFF14にて生きる、一人の冒険者の記録

広がる世界

目が覚めるとベッドの上でした。

 



側にはミューヌさんが居て、私の体を気にかけてくれました。

大御霊祭りで倒れた私を、宿まで運んでくれたそうです。

 

「ここのところ事件に次ぐ事件で、疲れていたのかもしれない」

 

ミューヌさんはそう言いながらも、私をじっと見て「もう大丈夫そうだね」とほっとした表情を見せ、仕事に戻っていきました。

 

去り際に、カヌ・エ様が私に用があると伝え聞いたので、一息ついたら会いに行ってみましょう。

 

 

 

 

カヌ・エ様のもとへ行くと、2つの封書を渡されました。

第七霊災から5年を節目として、近く行われる『カルテノー戦没者追悼式典』に関する書類が入っているそうです。

グリダニアの同盟国の盟主に、それを届けてほしいというのが、カヌ・エ様の用件でした。

 

め、盟主に・・・?

一介の冒険者の私が・・・?

 

 

あまりにも大役なので戸惑う私に、「グリダニアのために尽力してくれたあなたに任せたい」カヌ・エ様。

私がうなずくと、カヌ・エ様は「良かった」と微笑みました。

 

 

世界を見てまわってきなさい、とカヌ・エ様に言われて、あの大きなクリスタルの夢で聞いた”世界を巡って光のクリスタルを・・・”という言葉を反芻すると、カヌ・エ様は意味ありげに笑いました。

 

「マザークリスタルに導かれし、『超える力』を持つあなたにしかできないことが、きっとあるはず」

 

 

 

 


カーライン・カフェに戻ってミューヌさんに伝えると、自分のことのように喜んでくれました。

私の働きがグリダニアに認められたのだと。

困ってる人を手伝ってただけなのですけど・・・大げさに言われるとちょっと恥ずかしいです。でもすごく喜んでくれてるから、やはり嬉しい。

 

同盟国には飛空艇で向かいますが、それだって誰でも許可がもらえる乗り物ではないのです。

それもグリダニアの代表として。

改めて大役なのを意識して、緊張してきました・・・。

 

 

出発時には、大勢が見送ってくれました。

飛空艇に乗るのは初めてです。

ですが乗り込んだ瞬間から、不安や緊張は吹き飛びました。

 

だって新しい街、新しい景色です!

見たことのない場所へ行くとき、なぜこうも胸が高鳴るのでしょうか。

 

初めて旅に出た日の気持ちを思い出しながら、私は飛空艇の向こうに広がる景色に見惚れるのでした。