不思議な夢を見ました。
意味の分からない夢なのに、何か大きな意味があるような。
何かが始まるような気がして、気分が高揚するような、そんな感じ。
声をかけられて目覚めると、見知らぬ男の人に話しかけられていました。
そうだ、ここはグリダニアへと向かうチョコボキャリッジの中でした。
まだ行ったことのない都市を目指して、旅に出たのです。
何を求めて・・・と問われると答えに困りますが・・・。
私の住むエオルゼアという地域には、たくさんの都市や集落が混在していますが、そこから出ずに一生を終える人が大勢います。
世界には好戦的な獣やモンスターが多くいて、外に出ることは危険とされているからです。
ですが戦う術を身に付けて、外に出ていく人達もいます。
富を求めて、名誉や栄光を求めて、強さを求めてと理由は様々ですが、彼らはモンスター退治を主としながら、世界各地に散らばっています。
『冒険者』と呼ばれる人達です。
私・・・ララフェル族のユズは、そんな冒険者に憧れていた・・・というわけでもなく、最強の戦士を目指しているわけでもなく・・・。
ただ、知らないものを見てみたかった。
狭い村で、毎日同じ景色の中で、穏やかに時間は過ぎていくけれど。
世界にたくさんあるはずの、見たことのない景色、聞いたことのない知識、出会ったことのない感情に触れてみたい。
そんな思いに駆られてこの身一つで旅を始めた私もまた、『冒険者』と呼ばれる。
チョコボキャリッジで同乗していたブレモンダさんは、別れ際、「立派な冒険者になってくれ」と言っていました。
「立派な冒険者」がどのようなものかも分からないけれど、この先どんな風に吹かれるのかも分からないけれど、世界を一つ一つ知っていくんだ。
想像もつかない未来に、胸は躍るのです。